フィヨルド地方
フィヨルドとは?
フィヨルド(fjord)とは、氷河の浸食により形成されたU字谷が沈水して地形で複雑な地形の湾・入り江をしているものをいう。U字谷の両岸は1,000mを越えるものがあり、また、水深も1,000mを越えることがある。
フィヨルドは、約100万年前の氷河期に2000~3000mにも達する厚い氷河が、その重みで海水を押しのけて前進し、その速度は1年間に数百mに達したとされる。
岩手県のリアス式海岸も複雑な地形の湾・入り江を形成しているが、こちらは河川の浸食によるものである。
フィヨルドはスカンディナビア半島、グリーンランド、アイスランドに見られ、南半球では、ニュージーランドの南島や、チリ・アルゼンチン南部(パタゴニア地方)に見られる。
ノルウェーの西部海岸線には多くのフィヨルドがあり、5大フィヨルドが集中する。このため、この地方はフィヨルド地方と呼ばれる。
ベルゲン
ベルゲン(ノルウェー語: Bergen)はヴェストラン地方ホルダラン県の都市である。1020年代から1030年代に交易地として集落が形成されていた。15世紀から16世紀にかけて、ベルゲンは交易の要所としてスカンジナビア最大の都市として繁栄した。
ソグネフィヨルドを観光する際の起点となる街でもある。
ブリッゲン
ブリッゲンはノルウェー語で埠頭という意味で、ベルゲン旧市街の倉庫群をいう。
その歴史は、ハンザ同盟時代ドイツ人街として発祥し、現在ではカラフルで奥行の深い木造倉庫がならんでいる。1979年には世界遺産として登録された。
ハンザ同盟
中世後期に北ドイツを中心とした、バルト海沿岸地域における貿易の独占、ヨーロッパ北部の経済圏を支配した都市同盟のこと。
ローセンクランツの塔とホーコン王の館
ローセンクランツの塔は、1560年にベルゲンの領主であったエーリク・ローゼンクランツが要塞と住居を兼ねて建てた塔。
ホーコン王の館は、1247~1267年にかけてホーコン・ホーコンソン王が王室の居城として建てたもの。この時代、ノルウェーの首都はベルゲンにあった。
フロイエン山
標高320mの山で、頂上からはベルゲンの街が一望できる。フロイエン山にはフロイエン山ケーブルカーが通じており、7分で山頂に着く。
ソグネフィヨルド
ソグネフィヨルドは(ノルウェー語: Sognefjorden)グリーンランドのスコルズビ湾に次ぐ世界で2番目に大きいフィヨルドである。
延長204kmにもおよび、水深は湾口付近で150mであるが、内陸に入るにしたがって深さを増し1,200mに達する所もある。
ソグネフィヨルドの観光にはオスロとベルゲンを結ぶベルゲン鉄道(ベルゲン急行)を利用する。オスロ起点の場合、ベルゲン鉄道の途中ミュルダールで、フロム鉄道に乗換え終点のフロムからネーロイフィヨルドを高速船でグドヴァンゲンに向かう。グドヴァンゲンからバスでヴォスへ。そして、ヴォスから再びベルゲン鉄道(ベルゲン急行)でベルゲンへ向かうルートとなる。
ネーロイフィヨルド
ネーロイフィヨルドはソグネフィヨルドの支流で長さは20km、幅は250mである。2005年に「西ノルウェーフィヨルド群 - ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド」として世界遺産に登録されている。
ガイランゲルフィヨルド
ストールフィヨルドの支流で15kmに渡る。周囲は標高1500mの山々に挟まれている。
ネーロイフィヨルドとともに、2005年に「西ノルウェーフィヨルド群 - ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド」として世界遺産に登録されている。
観光の拠点はオーレスン。
ノールフィヨルド
全長113mのフィヨルド。近くにはヨーロッパ最深(深さ514m)のホーニンダルスヴァトネ湖、ヨーロッパ最大の氷河であるヨステダール氷河やその支流のブリクスダール氷河がある。
ハダンゲルフィヨルド
全長は179㎞。ソグネフィヨルドに次ぐ長さを誇る。観光の拠点はベルゲンやヴォス。
リーセフィヨルド
5大フィヨルドの中で最南部に位置し、全長は42km。
「説教台」と呼ばれるプレーケストーレン(Prekestolen)が見どころで、海面から垂直に切り立った約600mの岩がある。
観光の拠点はスタヴァンゲル。
ウルネスの木造教会
ウルネスの木造教会はノルウェー西部のフィヨルドの奥にある小高い丘の上にあるウルネス様式(キリスト教建築とヴァイキング建築が融合した様式)の木造教会で、1130年前後に建設された。
当時、このような教会が1200棟余り建てられ、その中で、ウルネスの教会は現存する28棟のうち最古のものである。